インスタの認証バッジは、本人または公式アカウントを証明するマークであり、なりますまし被害対策や、フォロワーが増加しやすいといったメリットがあります。そこで今回は、認証バッジのメリットや申請方法、2023年に始まった有料の認証バッジ付与サービス「Meta認証」などについて詳しく紹介します。
インスタの認証バッジとは
インスタの認証バッジ(公式マーク)とは、インスタのアカウント名の横にある青いチェックマークのことです。認証バッジがついているアカウントは、Instagramがそのアカウントを本人、または企業の公式アカウントであると確認できたことを示します。
認証バッジをつけることで、ユーザーは本人や公式アカウントを見つけやすく、安心してフォローできます。またなりすまし被害の防止にもなります。
無料で取得可能
近年有料で認証バッジが取得できる「Meta認証」が開始されましたが、通常の認証バッジに関しては、客観的な知名度を証明する必要はあるものの、基本的に誰でも無料で申請・取得が可能です。「Meta認証」については、記事の後半で詳しく紹介します。
インスタで認証バッジを取得するメリット
インスタで認証バッジを取得すると、多くのメリットが得られます。主なメリットは次の通りです。
- 信頼度が上がることでフォローされやすくなる
- なりすまし被害対策になる
- 海外ユーザーにもアピールしやすくなる
それぞれ詳しく紹介します。
信頼度が上がることでフォローされやすくなる
まず認証バッジを取得する最大のメリットは、アカウントの信頼度が上がることです。認証バッジは、本人・公式アカウントであることを保証するものであり、ユーザーから見ても信頼ができるアカウントだと一目でわかるため、フォローされやすくなります。
なりすまし被害対策になる
インスタに限らず、SNSでは本人になりすましたアカウントがよく出現します。このアカウントが本人のように情報を発信すると、本物のアカウントの信頼性を損なう可能性があります。
しかし本人のアカウントに認証バッジがついていれば、検索をされた際なりすましアカウントがあったとしても一目で偽物だと判別でき、被害を最小限に抑えられるでしょう。また、自身のなりすましアカウントを発見した場合、公式フォームやアプリのオプションメニュー「問題を報告」から報告が可能です。
しかし認証バッジを取得していれば、こういった面倒な報告作業を行う必要がなく、手間を省けます。
海外ユーザーにもアピールしやすくなる
日本や日本語を知らない海外ユーザーから見ると、そのアカウントがどの程度人気なのか、どういった活動をしているかがわかりにくく、フォローしにくい面があります。しかし認証バッジがアカウントの横についていれば、インスタから保証を受けた知名度の高いアカウントであるとわかるため、安心してフォローしやすくなります。
このように、認証バッジは日本語や日本を知らない海外ユーザーに対しても、アプローチがしやすくなるのです。
インスタで認証バッジを取得するデメリット
インスタの認証バッジは、取得によるデメリットも存在します。主なデメリットは次の通りです。
- 認証バッジ取得後は名前変更ができない
- 認証バッジは移行できない
- コンテンツが優先表示されるわけではない
それぞれ詳しく紹介します。
認証バッジ取得後はユーザーネームを変更できない
認証バッジを取得すると、ユーザーネーム(英数字で設定するInstagramのID)が変更できなくなるため注意が必要です。通常、インスタのユーザーネームは14日間に2回まで変更可能です。
しかしバッジ取得をすると、一切変更ができなくなります。現在ユーザーネームの変更を考えている場合は、申請の前に変更しましょう。ただし、プロフィールでアイコンの下に表記される名前は変更可能です。そのため取得後に変更が必要になった場合は、こちらを名前変更しましょう。
認証バッジは移行できない
認証バッジは、1つのアカウントに紐づいているため、別のアカウントに移行することはできません。そのため、アカウントが複数ある場合はどのアカウントで申請するか検討し、アカウントを間違えて申請しないよう注意しましょう。
コンテンツが優先表示されるわけではない
インスタの認証バッジは、あくまで本人であると保証するものであり、コンテンツを優先的に表示するといったメリットはありません。これは、インスタの公式サイトでも、以下のように言及されています。
アカウントに認証バッジが付いている場合、それが表明しているとおりの対象を表すものであることをMetaが確認したという意味です。認証バッジは、重要性、権威、特定のテーマにおける専門性を示すものではありません。
出典:Instagramの認証バッジ
つまり認証バッジはあくまでも本人確認のためのものであり、それ以上のものではない、ということです。前述したように認証バッジがあれば、フォロワーが増えやすくなり、いいねやコメントがつきやすくなるため、結果的にコンテンツが上位に表示されるケースは当然あります。
しかしこれは認証バッジがついているというよりは、アカウントや投稿が人気だから上位表示されている、と考えられるでしょう。
インスタで認証バッジを取得するための要件(条件)
審査基準の詳細は非公開ですが、Instagramによると認証バッジを取得するには4つの要素が必要です。
本物である: 実在の個人または登記されているビジネスや団体を表すものである必要があります。
唯一である: この個人またはビジネスの唯一のプレゼンスである必要があります。個人やビジネスごとに認証を受けられるアカウントは1つのみです。ただし、言語別のアカウントは例外です。一般的な趣味・関心のアカウント(例: @puppymemes)は認証していません。
完全である: アカウントが公開されていて、自己紹介とプロフィール写真があり、適用時にアカウントがアクティブである必要があります。有名である: 広く知られており、よく検索される個人、ブランド、団体を表すアカウントである必要があります。Instagramでは複数のニュースソースで取り上げられているアカウントを審査し、有料コンテンツや広告コンテンツは審査対象のソースとしてみなしません。
出典:Instagramヘルプ
また上記にくわえ、利用規約やコミュニティガイドラインを順守しているかも重要です。
フォロワー数といった取得の基準は存在しない
インスタで認証バッジを取得する要件のなかに、フォロワー数や検索される数といった数字の基準は存在しません。実際数千人のフォロワー数でも認証バッジが付与されているアカウントは存在します。そのため、一般人でも認証バッジの申請・取得は可能です。
ただし、要件のなかに「有名である」があり、よく検索されるといった条件を満たす必要はあるため、フォロワー数も、全くの無関係とはいえないでしょう。
認証バッジの申請方法
認証バッジを実際に申請する場合は、次の手順で行います。
- 必要書類・サイト情報の準備
- 申請リクエスト
- 審査結果の通知
それぞれ具体的なやり方について詳しく紹介します。
必要書類・サイト情報の準備
認証バッジの申請を行う際、本人確認のために書類を提出する必要があります。用意する書類は個人として申請する場合と、ビジネスアカウントとして申請する場合で異なります。
個人の場合は写真付きの身分証明書、ビジネスアカウントの場合は、企業・団体が所有する公的な事業者書類が必要です。それぞれ具体的に必要な書類は次の通りです。
【個人の場合】
- 運転免許証
- パスポート
- 国民識別カード(マイナンバーカード)など
【企業・団体の場合】
- 納税申告書
- 最近の公共料金の領収書
- 会社定款 など
また、申請の際にはInstagram認証を効率的に行えるよう、自身のアカウントを紹介しているWebサイトやSNSの情報を最大5つまで追加可能です。そのため申請をスムーズにできるよう、これらのサイト・SNS情報を事前に集めておきましょう。
権威性の高いニュースソースであれば、より効果的に知名度や公式アカウントであることを証明できます。ただし、有料もしくはプロモーションコンテンツは対象とならないため注意が必要です。
申請リクエスト
次に、実際にインスタのアプリを操作して申請リクエストを行います。
まずアカウントのプロフィールを表示させ、右上にある「≡(メニューボタン)」をタップします。
画面をスクロールし「アカウントの種類とツール」をタップします。
画面の一番下に表示された「認証をリクエスト」をタップします。
申請画面が表示されるため、それぞれ必要な情報の入力や画像を添付します。
真正性の確認
まずアカウントが公式または本人であることを証明するため、氏名(正式な団体名)の入力と、書類のアップロードを行います。ユーザーネーム(インスタのID)は自動で入力されるため必要ありません。
「書類の種類」をタップするとアップロードする書類の種類が選択できるため、用意した書類を選択します。
書類の種類の下の「ファイルを追加」をタップします。
直接写真の撮影をするか、先に撮影した書類の画像をアップロードします。なお、アップロードする写真は、書類の情報がはっきりと見えるものを使いましょう。画像がぼやけていたり、にじんだりしていると、本人確認ができず審査が通らない原因になります。
知名度の確認
次にアカウントや人物が公的に認知されているものだと、証明します。
「カテゴリ」は、アカウントでどのような情報を発信しているかを確認し、最も近いカテゴリーを選択します。
「国・地域」は、アカウントの個人や企業がどの国でよく知られているかを選択します。基本的に居住地や本社のある場所で問題ありません。国の検索もできるため、活用しましょう。
残りの2つに関しては任意であるため、記載できるようであれば、記載しましょう。内容は次の通りです。
- オーディエンス:自身のフォロワーについて、アカウントをフォローしている理由や属性を紹介
- 別名:本名の他に世間で知られる名称があれば記載、芸名や愛称、ハンドルネーム、短縮名など
ニュースソースの入力(任意)
認証を申請するアカウントが紹介されているサイトや、SNSの情報を最大5つまで入力できます。こちらも任意であるため、情報があれば記載しましょう。
リンクを貼り付ける場合、まずリンクのタイプを上記の3つから選択し、「URL」にリンクを貼り付けましょう。
すべての入力が完了したら、最後に「送信」をタップして申請は完了です。
審査結果の通知
審査のプロセスが完了すると、画面右上アクティビティに審査結果の通知がきます。無事認証されればアカウントに青いチェックマークが追加されるでしょう。審査は数時間で終わる場合もあれば、数日以上かかる場合もあり、最大30日程度で結果が通知されます。
認証バッジを取得する際の注意点
認証バッジの申請・取得を行う際は、次の点に注意が必要です。
- 申請で認証バッジの取得が確約されるわけではない
- 複数リクエストを送るとキャンセルされる
- 30日間経てば再度申請は可能
- Facebookの認証は別途申請が必要
- 認証バッジは取り消しされる可能性もある
- DMやメールによる詐欺や乗っ取りに要注意
それぞれ詳しく紹介します。
申請で認証バッジの取得が確約されるわけではない
認証バッジは、申請しても取得が確約されるわけではありません。申請する側が提示した4つの要件を満たしていると感じても、審査する側がそれを認めなければ申請は却下され、認証バッジは取得できないでしょう。
複数リクエストを送るとキャンセルされる
認証バッジの申請リクエストは結果が届く前に複数回送信すると、リクエスト自体がキャンセルされるため注意が必要です。結果が届くまでは最大30日かかるため、本当に申請した情報が届いているか、また申請が通るか不安に感じるかもしれませんが、結果が出る前に再度申請をしないでください。
30日間経てば再度申請は可能
もし審査の結果が届き、万が一申請が通らなかった場合でも、申請から30日が経過すれば、再度申請は可能です。ただし、審査に落ちた理由は開示されません。そのためもし提出した書類の不備といった明確な理由がわからない場合は、4つの要件を満たしていないことが考えられます。
その場合は、すぐに再申請しても審査に通らない可能性が高いため、要件を満たすために何が足りないかを分析し、投稿の仕方や運用方法を再度見直しましょう。
Facebookの認証は別途申請が必要
インスタのアカウントと、Facebookを連携していた場合でも、インスタで認証バッジが取得できたからといって、Facebookでも自動的に認証が付与されるわけではありません。認証がほしい場合、FacebookはFacebookで別途申請を行ってください。
認証バッジは取り消しされる可能性もある
Instagramによると、審査内容がふさわしくなかったと判明すれば、認証後に取り消される可能性はあるようです。
注: 認証プロセスで偽の情報や誤解を招きやすい情報を提供した場合、認証バッジは取り消しとなり、さらにアカウント停止の措置を取る場合もあります。
出典:Instagramヘルプ
また申請内容が正しかったとしても、認証バッジ取得後、インスタのポリシーに反して運営を続けると、不適切なアカウントと判断され、認証バッジが取り消される可能性もあります。具体的には、以下のような行為を行うと、認証バッジ取り消しの上、アカウント停止の措置を取られる可能性があるため、注意しましょう。
出典:Instagramヘルプ
- 認証バッジを宣伝、譲渡、販売する。
- プロフィール写真、自己紹介、名前のセクションを使って、コミュニティガイドラインや利用規約に違反するサービスやアクティビティを宣伝する。
- サードパーティを通じてアカウントの認証を受けようとする。
- 公開アカウントを何度も非公開アカウントに変更する。
DMやメールによる詐欺や乗っ取りに要注意
認証バッジの取得に関しては、DMやメールを利用した詐欺や乗っ取り事案が発生しているためこちらも注意が必要です。これまで、インスタで「認証バッジがほしい人はDMに連絡してください。」といった投稿がされたり、メールで「認証バッジを取得したいならこちらのフォームから申請を」と送られるケースが目撃されています。
しかしこういった誘いに乗ると、金銭を要求されたり、不正なリンクをクリックさせられたり、入力したアカウントや個人の情報が悪徳業者に知られたりする危険性があります。基本的に、認証プロセスはアプリ内のみで行われるものであるため、それ以外はすべて詐欺だと思いましょう。
また認証バッジを取得すると、悪質なハッカーから狙われやすく乗っ取り被害にもあいやすくなるため、アカウントは二段階認証に設定し、セキュリティを強化すると安心です。
インスタで認証バッジ以外に公式だと証明する方法
インスタでは、認証バッジを取得する以外にも、公式だと証明することは可能です。もし審査が通らない場合や、認知度の証明が難しい場合は、次の方法を試しましょう。
- 公式ページのURLを貼る
- 公式SNSのURLを貼る
公式ページのURLを貼る
自社や自身の公式サイトが存在する場合は、アカウントのプロフィール欄に、公式サイトのリンクを追加しましょう。これにより、アカウントが公式のものであるという証明になります。
公式SNSのURLを貼る
もし公式サイトが存在しない場合は、ほかのSNSアカウントへのリンクを貼るのもおすすめです。もしインスタでは認証バッジの取得ができていなかったとしても、ほかのSNSで認証バッジに類似する証明がされていれば、インスタも公式アカウントであることが証明しやすくなるでしょう。
有料の認証サービス「Meta認証」もおすすめ
アカウントを公式のものだと証明するには、「Meta認証」を利用するのもおすすめです。過去にインスタを開いて「認証バッジを取得しよう」と表示されたことがある人も多いのではないでしょうか?これはサービス開始当初、「Meta認証」を案内するために表示されたものです。
Meta認証は通常の認証バッジと同じバッジが、有料でつけられるサービスです。次の項目で「Meta認証」について詳しく紹介します。
Meta認証とは
Meta認証とは、2023年7月にMeta社が始めた、InstagramとFacebookで利用できるサブスクリプションサービスのことです。Meta認証では、認証バッジ付与のほかにも、限定スタンプの利用や担当者によるサポートサービスなどが受けられ、一度通常の認証バッジを取得したアカウントでも、追加で登録が可能です。それぞれ、次の額を課金することでサービスが受けられます。
- スマホ(iOS・Android):月2,000円(税込)
- パソコン(Web申し込み):月1,600円(税込)
またほかにも、Meta認証を利用するには、次の条件を満たす必要があります。
- 18歳以上
- プロフィールに顔写真を使っている
- ユーザー名が基準に沿って設定されている
- 投稿履歴のあるアクティブなアカウント
- 2段階認証が有効
- 本人確認書類とプロフィールの名前・写真が一致
- Metaの利用規約とコミュニティガイドラインに準拠している
Meta認証と認証バッジの違い
Meta認証と認証バッジの違いとしては、次の点が挙げられます。
- 個人やクリエイターアカウントでも申請できる
- 認証バッジ以外のサービスの有無
通常の認証バッジでは、著名人か企業といったビジネスアカウントでしか申請ができず、また申請する場合も知名度の高さを客観的に示す必要がありました。しかしMeta認証の場合、個人アカウントやクリエイターアカウントでも申請ができ、知名度を証明する必要もないため、単純な公式アカウントの認定機能として利用可能です。
またMeta認証では、認証バッジの付与以外にも次の特典が利用できます。
- なりすましアカウントの積極的なモニタリング
- 日本語に対応した担当者によるアカウントサポート
- InstagramとFacebookで使える限定のスタンプ
Meta認証は充実したサービスを受けたい方や、知名度の証明が難しい方におすすめのサービスと言えるでしょう。
Meta認証の登録方法
Meta認証の登録は、通常の認証バッジ申請と同じように、プロフィールの右上にあるメニューボタンからできます。
申請する場合は申請方法の選択と、本人確認のための書類提出で登録可能です。
まとめ
今回は、インスタの認証バッジの概要や、メリット・デメリット、申請方法などについて紹介しました。認証バッジの申請は非常に簡単で、誰でも行えます。また2023年からは、有料で認証バッジが取得できる「Meta認証」が開始しており、知名度を証明しなくても認証バッジが取得できるようになりました。ぜひこの記事を参考に認証バッジ取得に挑戦してはいかがでしょうか?